井原駅のジーンズショップ「D# THE STORE」で井原デニムについて学んできた!
公開日: | 最終更新日: 2018/06/06 国産ジーンズブランド探訪レポート 国産メンズジーンズの話題
国産デニムファンとしては「井原(いばら)」も気になるなぁと思ってたんですが、先月、遂に行ってきましたー。わいわい♪
岡山県井原市といえば、ジーンズというより「デニム生地」のイメージ。シャネルも好むデニムとして有名なクロキとか。児島のジーンズショップでも、生地は井原のを使ってるよーという話をよく聞きます。
生地の生産だけだったら1人でふらっと行っても見に行けるとこナイだろうなぁという感じなんですが、いくつかジーンズのファクトリーブランドがあり、その販売店が井原駅にあるらしいことを知ってたので、そのお店でいろいろお話を聞きたいなと。
もくじ
井原駅の「D# THE STORE」とは?
「D# THE STORE」は、井原のファクトリーブランドのジーンズやデニム雑貨を販売しているお店。井原線「井原駅」構内にあります。井原被服協同組合の運営。オープンは5年ほど前だそう。
「D#(ディーシャープ)」は、井原の「井」をシャープ(#)に見立て、デニムの「D」をつけたもの。
#には「ワンランク上」の意味も込められ(D#mag Vol.1より)、高品質な井原デニムがより多くの人に知ってもらえるようにという想いが表現されています。
今回、たくさんお話を聞いたり、写真を撮らせてもらったりしたかったので、事前にアポイントをとってドキドキしながら訪問。
店長さんに井原デニムについて色々教えてもらい、写真も撮らせてもらい、さらに手織り機の体験をさせてもらったり、リベット打ちさせてもらったりして、とても楽しく過ごさせてもらいました。ありがとうございました!
▼店内に手織り機があります。
三一の綾を織る手織りの織機で、踏み板が4本(もっと複雑なのはもっと多いそう)。
▼リベット打ちの機械も。
井原のジーンズブランドなど
commonplace(コモンプレイス)
studioMの「commonplace」。
メンズ主体のジーンズブランドなんですが、着たときのシルエット・見え方にこだわってデザインされてるそう。
装飾は最小限。立体裁断。ポケット位置、内股のステッチ位置まで随所にこだわり、足長でかっこよく見えるように計算しつくされたジーンズです。
Blue Trick(ブルートリック)
(有)ミズタニの「Blue Trick」。
和柄のものからオーソドックスなカジュアルまで幅広く色んな商品があるブランド。生地の組み合わせのおもしろさ、細部にハンドメイド感が入っている点などが特徴です。
pH7(ペーハーセヴン)
タカヤ繊維(株)の「pH7」。
「西洋や東洋のディテールの優れた部分を中和させ融合させる」製品作りをしようという思いから、(中性を表す)「pH7」と名付けられたそう。現在活動休止中で、商品はD# THE STOREに残ってる分のみとのこと。
FAGASSENT(ファガッセン)
青木被服(株)の「FAGASSENT」。
デザイン性の高いジーンズブランド。ヨーロッパや東京のセレクトショップを中心に展開しており、井原では販売されてないそうです。
Moon Beat Quality
ジーンズではないですが、D# THE STOREには(株)辺本(なべもと)の「Moon Beat Quality」の商品も。
訪問したときは完売後で在庫がありませんでしたが、少し前までニットのネクタイを販売していたそう。今後取り扱いが増えるかも?
D# THE STOREのオリジナル商品&サービス
D# THE STOREには、オリジナルの雑貨も。
▼リベット打ち体験して作るキーホルダー
▼リベットも自分で選びます。
D# THE STOREでは、リペアも可能。
それから、
最近、オーダーメイドのデニムスーツの販売をはじめたそうです!
デニムスーツは生地が特徴的で、一見するとデニムとわからない、なめらかで上品な雰囲気をもっています。ぐっと生地に近寄って写真撮るの忘れてました(泣
井原デニムの歴史と背景
岡山県井原市の繊維史の概要
江戸時代初期から綿花栽培、手つむぎ、手織りによる衣服の生産がおこなわれていた。1680年代から藍の栽培も。
明治時代に小倉服地が生産されるようになり「備中小倉織」として有名に。
1945~1952年ごろ、GHQが穿いていたジーンズを参考に「マンボーズボン」を製造し、GHQ向けに販売。
1960年、厚地織物の生産・縫製技術を生かし、デニム生地とジーンズの生産がはじまる。
1970年ごろ、ジーンズ生産 年間1500万本(国内生産量の75%)。
このころ井原には縫製工場がかなり多かったそう。最も大きかったブランドは「バイスラー(VICERER)」。
デニム生地と備中小倉織の共通点
- 表が紺、裏が白の厚地の綿織物
- 藍で染められている(デニムはインディゴ、備中小倉織は天然藍)
- 作業着に使われる
参考
- D#mag Vol.1
- 井原デニムヒストリー(D# THE STORE)
- 特産品:井原のデニム(井原市)
国産ジーンズ発祥の地
井原について調べていると「国産ジーンズ発祥の地」という説明がちらほら。・・・あれ? 倉敷市児島も・・・。
これはズバリ聞いてみないとでしょってことで店長さんに井原市が発祥という所以を聞いてみたところ、国産ジーンズのルーツはGHQのジーンズを参考に作った「マンボーズボン」だからとのこと。
なるほどー。
井原と児島は地理的にも近いし(どちらも岡山県内)、同時期に同種の発見や発明があるっていうのは歴史の中では珍しくないことなのでそういった感じの話かな、と思ってたんですが、ルーツをどこに見るかという違いがあるんだなぁと興味深かったです。疑問が解けてスッキリ♪
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