読書感想: 日本における産地綿織物業の展開(阿部武司, 東京大学出版会)
公開日: | 最終更新日: 2018/06/06 読書・学び
もうすぐ年末ですね。バタバタ過ごしつつ本を読んだりしています。
今日は、11月に読んだまま記事にしそびれてた読書メモを。
11月下旬とつい先日にもまた新たに数冊ずつ本を買ったので、これ買ったよレポートを近日中に書く予定です。
概要と感想
1920年から第二次大戦の戦時統制前までの時期(戦間期)における日本の綿織物業についての研究書。
この時期の日本の産地綿織物業の発展について、産地を4つの類型に分類し、それぞれの特徴と発展性を明らかにすることによって、日本の綿織物業の全体像を明らかにしようとするもの。
戦間期というとかなり古い時期の話ですが、このころの繊維産業は日本を牽引する存在であり、またちょうど力織機が日本に入ってきた時期でもあるため、現在の国産デニム産業につながる流れとしても重要な意味をもつ時期であるともいえます。
第1章で綿織物の主要な産地が挙げられ、それぞれどの類型に属するかについて分析がなされるのですが、その中で岡山県の綿織物業がどういった状況であったか、児島と井原は産地としてどういった特徴をもつのかについて言及されていてとても興味深く。
全体としては、岡山について触れられている部分は少ないですが、日本の綿織物業全体のなかでの岡山の位置づけを知ることができるという意味でも勉強になりました。
書誌と目次
【書誌】
阿部武司『日本における産地綿織物業の展開』東京大学出版会、1989年。
【目次】
序章 戦間期産地綿織物業史分析の意義
第1部 綿織物業の地域類型
第1章 綿織物業の地域類型
補論(1)「兼営綿布」生産額の推計について
第2部 白綿布産地の動向-泉南を中心に-
第2章 泉南綿織物業の発展
補論(2)泉南機業家と銀行
第3章 帯谷商店の分析
第4章 日本綿織物業における「産地大経営」
第3部 縞綿布産地の動向-播州の場合-
第5章 播州綿織物業の発展
補論(3)泉南の中小規模機業家について
終章 総括と展望
▼書店と図書館の在庫を調べる。
この本、最初は買うつもりだったんですが、Amazonで3万円(※2014年11月現在。他の本屋さんでは品切れ)でわたしの財力ではちょっと無理だったので図書館で借りて読みました。
研究書はあまり冊数でなくて出回らないので、古本も少なくてなかなか難しいですね。
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